見分けづらい夏の熱中症!熱中症における看護師の誤診対策
真夏の体調不良の原因として筆頭に挙げられるのが熱中症だ。しかし、患者当事者が熱中症だと訴えており、状況的にも熱中症の可能性が高い場合でも、必ずしも熱中症であるとは限らない。熱中症の症状の多くは、その他の疾患でも発生しうる症状であるため注意が必要だ。
熱中症の中でも多い「高い体温」や「頭痛」だが、これは「感染症にやる発熱・頭痛」、頭痛は「脳梗塞」にもみられる症状だ。看護師に向けて患者がそうした訴えをしてきた場合、まずは患者本人から次の状況を確認する必要がある。
症状が出た状況が暑熱環境であるか、そして服薬・既往歴は判断の基準として大きいものとなる。環境が暑熱ではなく何らかの基礎疾患がある場合、基礎疾患の悪化や免疫力低下による感染症である可能性が高まる。高齢者・小児は熱中症に罹患しやすい年齢層だが、「エアコンが効いている室内に居たか否か」など、暑熱環境を回避できている場合の発熱・頭痛などの症状もまた感染症の可能性が高い。
夏の熱中症、夏の脳梗塞(夏血栓)は、見分けづらい症例の代表格である。特に熱中症における「体を冷やす」「水分・塩分をとる」対処法は、脳梗塞にとっては悪化の原因となる。脳梗塞においては頭痛があるが、体温の上昇を伴わない。熱中症のような吐き気、めまい、ふらつきを訴える場合、体温を測り、平熱であればただちに脳梗塞疑いとして対策・処置を行う。他の見分け方として、脳梗塞では発熱以外の熱中症の諸症状に加え、「顔や両手両足、もしくは片手片足に麻痺がある」「水を口に含んでも飲めずにこぼす」がある。