熱中症への有効対処と予防法!効率的に深部体温を下げる方法
熱中症を回避する対処法は、従来は「こまめな水分補給」「涼しい恰好をする、直射日光を浴びない」「湿度・気温の高い状況に居つづけない」などが一般的だった。しかし近年では、加えて「手のひら・足の裏の深部体温を下げる」という方法が再注目されている。
深部体温とは、臓器の温度である。人間の体温は、厳密には皮膚温と深部体温に分けられる。深部体温は内臓の働きをスムーズにするため、37℃前後に保たれる。一方の皮膚温は身体の末端に行くにつれて外気温に左右され、通常ならば深部体温より低くなる。しかし熱中症時においては放熱の役割も担う皮膚音が高くなってしまうことで深部体温が高まり続け、熱を逃がせないことで様々な症状がでてしまう。
冷たい飲み物を飲むのはこの深部体温を下げる方法の1つだが、手足が明らかに熱を持ち始めている場合、水温10~15℃の水に手のひら、足の裏といった末端を5~10分程度浸し、末梢血管の血液を冷やす方法も有効だ。冷えた末梢血管の血液は体内を循環するので、深部体温を下げる効果に繋がる。また手のひら、足の裏、頬、足の付け根には動静脈吻合という動脈・静脈を結ぶ太い血管がある。この部位を冷やすのも有効だが、氷水や凍ったペットボトルを直接つけるなど冷やしすぎると、身体を温めようとする防衛本能が働くので逆効果である。冷えた水や冷たい濡れタオルに留めるのが望ましいだろう。
看護師として働いていると、こうした対処を行う場面が多々あるかもしれない。しっかり備えておきたい人は、『もうすぐ夏本番!看護師が知っておくべき熱中症対策』というサイトを見て知識を蓄えておくと良いだろう。